エコバッグの生地は何メートル必要か
仕上がりの縦・横・マチを入れてください。生地・持ち手テープを、そのまま買い物リストになる形で出します。裏地あり/なし、内ポケットあり/なし、柄合わせ(リピート)、一方向柄、生地幅の違いで必要量がどう変わるかまで計算します。
「面積 ÷ 生地幅」では、なぜ足りないのか
必要な布の面積を出して、生地幅で割る。一見すると正しそうですが、この計算はほぼ確実に足りません。理由は単純で、布は自由な形に分けて使えないからです。
生地は決まった幅の反物から、必要な長さだけ切って売られます。買った布は「幅110cm × 長さ◯cm」という1枚の長方形です。そこから四角いパーツを切り出していくと、幅の中に並びきらなかった隙間は、そのまま捨てる部分になります。面積を単純に割る計算は、この「並びきらない端」を数に入れてしまうので、実際に買うと足りません。
このツールは、背の高いパーツから順に、使える幅の中へ詰めて「段」を作るという考え方で計算しています(降順ファーストフィット)。段の高さは、その段でいちばん背の高いパーツで決まります。低いパーツを同じ段に入れても段の高さは伸びないので、大きいものから並べるほど無駄が減ります。結果画面の図は、いまの入力でどう並ぶかをそのまま描いています。
このツールがやっている手順
仕上がり寸法そのままで裁つと、縫った瞬間に小さくなります。縫い代と袋口の始末の分を先に足します。袋口の始末は、裏地なしなら三つ折りの折り返し分、裏地ありなら縫い代だけで足りるので、チェックの状態で自動的に切り替わります。
生地の両端(耳)は織り密度が違い、洗うとつれることがあります。初期値では両端で合計2cmを使わない前提にしています。
生地は10cm単位で切ってもらうのが一般的なので、最後に10cm単位へ切り上げています。「1.24m必要」ではなく「1.3m買う」まで出しているのはこのためです。
マチを入れると、必要量はどう変わるか
マチ(バッグの底の厚み)は、たたんだ状態の寸法には出てきません。ですが計算のうえでは縦横どちらにも効いてきます。
本体の裁ちきり横は、マチの分だけそのまま増えます(横 = 仕上がり横 + マチ + 縫い代×2)。マチが増えるほどパーツが横に太くなるので、1段に並ぶ枚数が減りやすくなります。たとえば生地幅110cmで2枚並んでいたところが、マチを増やしたことでパーツ幅が広がり、1枚しか並ばなくなることがあります。そうなると段の数が増え、必要な長さが一気に伸びます。
縦方向は、マチの半分だけを底側に足しています(縦 = 仕上がり縦 + マチ÷2 + …)。マチを「前後の生地で半分ずつ持つ」作り方を前提にしているためです。マチをまったく入れない(0cm)場合は、この分がそのまま消え、必要量も少なくなります。マチの有無・大きさで、生地幅に何枚並ぶかが変わる境目があります。上の入力でマチだけを動かして、段の数がどこで増えるか確かめてみてください。
持ち手テープ・内ポケットを足すと、何が変わるか
持ち手テープ
持ち手は市販のアクリルテープ・カラーテープを使う想定で、本数と1本あたりの長さ(縫いつけ代を含む)から必要な長さを別枠で出しています。生地の必要量には含めません。布から自作する持ち手にする場合は、テープの代わりに帯状のパーツが表地から必要になるため、この計算には含まれません。その場合は少し余裕を持って表地を多めに見込んでください。
内ポケット
内ポケットは本体と同じ表地から、まとめて裁つ前提で計算しています。別の生地は増やさず、本体のパーツと一緒に「段詰め」の対象に加えているだけです。そのため、内ポケットを追加しても必ずしも必要量が増えるとは限りません。本体パーツの隣に空いた幅があれば、そこに収まって長さが変わらないことがあります。逆に、空きがちょうど足りない場合は新しい段が1つ増え、必要量が伸びます。チェックを入れ外しして、内訳表と図でどちらになるか確認してください。
なお、内ポケットの裁ちきり縦には、ポケット口を三つ折りにする分として固定で3cmを足しています。裏地つきのポケットにする場合や、ポケット口の始末を変える場合は、仕上がり寸法側で調整してください。
裏地をつけると、何が変わるか
裏地をつけると縫い代が内側から見えなくなり、中でほつれてこなくなります。買い物袋として毎日使うものなので、この差は半年〜1年で見えてきます。裏地なしの場合は、内側の縫い代をジグザグやロックで始末しておかないと、糸くずが中に落ちるようになります。
必要量への影響は2つあります。1つは袋口の裁ちきりが変わること。裏地なしは三つ折りにするぶん折り返し(初期値3cm)を余分に裁ちますが、裏地ありは縫い代だけで済むので、表地の裁ちきり高さは少し低くなります。もう1つは裏地という別の生地を1種類買うことになる点。ただし裏地は無地を使うことが多く柄合わせが要らないため、このツールでは裏地を「柄合わせなし」として別に計算しています(柄物を裏地にする場合は、表地と同じ長さを見込んでください)。
柄合わせが要る生地は、なぜ多く要るのか
ここが早見表では絶対に扱えない部分です。
大きな柄が一定の間隔で繰り返す生地(リピートのある生地)で、前面と背面で柄の位置がずれていると、縫い合わせた脇で柄が食い違います。チェックやボーダーなら、横線の高さがずれているのが一目で分かります。
これを防ぐには、各パーツを柄の同じ位置から裁つ必要があります。そのためには、段の高さを柄のリピートの整数倍に切り上げなければなりません。
たとえば高さ39cmの本体を、リピート12cmの生地で裁つ場合。39 ÷ 12 = 3.25 なので4リピート分、つまり48cm使うことになります。段が増えれば、その差も積み上がります。大柄の生地はかわいいのですが、必要量は目に見えて増えます。上の入力欄でリピートを0と実測値で切り替えると、その差がそのまま出ます。
一方向柄は、90度回して裁てない
乗り物・動物・文字など、上下の向きが決まっている柄があります。この生地では、パーツを90度回して並べるという逃げ道が使えません。横向きの柄が並んだバッグになってしまうからです。
向きの決まっていない生地なら、パーツを寝かせて並べることで生地が短くて済む場合があります。このツールの「裁断の向き」では両方を試して短い方を選んでいます。一方向柄にチェックを入れると、たて地に固定されます。同じ寸法でも、一方向柄というだけで必要量が増えることがあるのはこのためです。
110cm幅と150cm幅で、必要量はどう変わるか
幅が1.36倍になっても、必要な長さが1÷1.36になるわけではありません。幅に何枚並ぶかは整数でしか増えないからです。150cm幅を買っても、並ぶ枚数がもとの生地幅と同じ「2枚」のまま変わらなければ、必要な長さは1cmも減りません。逆に、マチを増やしてパーツの幅がちょうど2枚並ばなくなる寸法では、150cm幅にした瞬間に必要量がぐっと減ります。
「広い方が得」でも「狭い方が安い」でもありません。作るものの寸法で逆転します。上の比較表で、自分の寸法ではどちらが得かを確かめてください。
まとめて作ると、生地は少なくて済む
個数(Q)を増やして複数個まとめて計算すると、1個あたりの必要量は下がっていくことが多いのが分かります。理由は段詰めにあります。1個分だけだと段の端に半端な空きが残りますが、2個・3個分をまとめて詰めると、その空きに別の個のパーツが収まることがあるからです。10cm単位の切り上げも、まとめて買えば1回で済みます。友人の分・家族の分をまとめて作る予定があるなら、個数を増やして先に計算しておくと生地を無駄にしません。