毛糸は何玉必要か
作るものと仕上がり寸法、そしてゲージ(10cm四方に何目・何段入るか)を入れてください。必要な玉数・糸長(m)・グラム数と、余る量を計算します。ゲージが少しずれるだけで玉数がどう変わるかも同時に表示します。
② 染めロットが違うと、同じ色番でも色が変わります。途中で買い足すと、そこから先だけ色が浮くことがあります。ロット番号はラベルに書かれています。最初にまとめて買い、同じロットで揃えてください。足りなくなってから買い足すのが、いちばん取り返しがつきません。
ゲージとは何か、なぜ先に取るのか
ゲージとは、10cm四方の中に何目・何段入るかという編み地の密度です。編み物では、これが分からないと必要な糸の量も、編む目数も決まりません。
布と違って、毛糸は「面積いくつ分」で売られていません。売られているのは糸の長さ(m)と重さ(g)です。つまり必要量を出すには、「この編み地は1cm²あたり何cmの糸を食うのか」を知る必要があります。それを決めているのがゲージです。
目が大きければ、少ない糸で広い面積が埋まります。目が小さければ、同じ面積に糸をぎっしり詰め込むことになります。だから、きつく編む人ほど毛糸をたくさん買わなければなりません。
試し編み(スワッチ)の取り方
- 15cm角くらい編みます。10cm角ぴったりだと端が丸まって正しく測れません。端は数えず、中央の10cm四方だけを数えます。
- 実際に使う編み地で編みます。メリヤス編みで測ったゲージを、ゴム編みのマフラーにそのまま使うことはできません。
- 編み上がりの状態で測ります。針にかかったまま、あるいは引っぱった状態では測れません。平らな所に置き、押しつけずに測ります。
- 数えるのは目数と段数の両方です。このツールは両方を使います。段数だけ、目数だけでは長さが出ません。
試し編みは遠回りに見えますが、毛糸を買いすぎる/足りなくなるという二つの失敗を、どちらも先に潰せる唯一の方法です。編み始めてから足りないと分かると、ロットの違う糸を足すことになります。
このツールがやっている計算
手順は3つです。
マフラーなら「幅 × 長さ」、帽子なら「頭囲 × 深さ」、セーターなら「胸まわり × 着丈 + 袖まわり × 袖丈 × 2本」です。筒状のものは、開いて平らにした面積として数えています。えりぐりや袖ぐりのくり込みは引いていないので、この時点でやや多めに出ます(安全側)。
この式の中身はこうです。目1つの幅は 10 ÷ 目数、段1つの高さは 10 ÷ 段数。目1つが食う糸の長さは、その幅と高さを足したもののおよそ2.2倍になります(糸は目の中を、横に渡り縦に折り返して通るためです)。それを目1つが占める面積で割ると、上の形にまとまります。
たとえば20目・26段なら、0.22 ×(20 + 26)= 10.12cm。1cm²の編み地を作るのに、約10cmの糸が消えている計算です。
最後に玉数を出します。玉数 = 切り上げ(必要な糸長 ÷ 1玉の糸長)。0.3玉は買えないので、切り上げます。グラム数は必要な糸長を1玉ぶんの比率に直して出しています。
編み地の係数について
同じ面積でも、糸の食い方は編み地で変わります。表編みだけのメリヤス編みが最も素直で、これを1.00としています。ゴム編みは縮んで厚くなるぶん、同じ幅を出すのに糸を多く使います。縄編み(ケーブル)は糸が交差して立体的に渡るので、さらに増えます。
試し編みを実際の編み地で取っていれば、この差の一部はゲージの側にすでに現れています。この係数は、それでも足りない立体的な糸の渡りを見込むためのものです。ゲージをメリヤス編みでしか取れていない場合は、係数を効かせておいてください。
玉数の見積もりが外れる、よくある理由
- ラベルの標準ゲージをそのまま使った。いちばん多い原因です。ラベルの数値はメーカーの標準的な編み手のものです。あなたの手ではありません。
- 編んでいる途中で手加減が変わった。長い作品では、慣れてくると手がゆるむ、疲れると締まる、ということが起きます。余裕率はこのぶれも見込んでいます。
- ゴム編み部分を数に入れていなかった。セーターの裾・袖口、帽子のかぶり口は、たいていゴム編みです。ここは本体より糸を食います。
- とじ・はぎの糸を忘れていた。パーツを縫い合わせる糸、糸端の始末は、編み地の面積には現れません。余裕率で見ています。
- ほどいて編み直した。ほどいた糸は毛羽が立ち、少し短くなります。心配なら余裕率を15〜20%にしてください。
- 糸の太さそのものにばらつきがある。手染め糸や太さの変わるファンシーヤーンは、この計算の前提から外れます。多めに見てください。
染めロットの話(これは本当に気をつけてください)
毛糸のラベルには、色番号とは別にロット番号が書かれています。これは「いつ染めた分か」を示す番号です。
同じ色番でも、染めた回(ロット)が違うと、わずかに色が違います。玉の状態で並べても分からないことがありますが、編み地にすると境目が線になって出ます。これは糸の品質の問題ではなく、染色という工程の性質です。
対策は一つだけで、最初に必要な数をまとめて、同じロットで買うことです。後から同じロットを探すのは、店頭でも通販でも、まず無理だと思ってください。
このツールが余りの量まで出しているのは、そのためです。余りが1玉の1/4を切るような結果になったときは、1玉足して買うことをおすすめします。手が少しきつくなるだけで足りなくなる水準だからです。
余った毛糸の使い道
まとめ買いすると余ります。余りは無駄ではありません。
- 同じ糸で小物を足す。マフラーと同じ糸の帽子、ハンドウォーマー、ヘアバンド。同じロットで揃うので、後から作るより仕上がりが揃います。
- コースター・エコたわし。数十mあれば作れます。上の「小物」で個数を入れると、余りで何枚作れるか見当がつきます。
- とじ・はぎ用に取っておく。作品と同じ糸で縫い合わせるのが基本です。着ているうちにほつれた時の補修用にも、少し残しておくと安心です。
- グラニースクエア(かぎ針の四角モチーフ)。色が揃っていなくても成立する数少ない編み方です。余り糸を溜めてブランケットにできます。
- 次の作品の試し編みに使う。ゲージを取る練習は、余り糸でいくらでもできます。
これから道具を揃える場合
編み物と並行して、園や学校のグッズを布で作ることになる方も多いはずです。布のほうは生地が何メートル必要かの計算で用尺を出せます。縫う道具をこれから買うなら、選び方はこちらにまとめています。