レッスンバッグの生地は何メートル必要か
仕上がりの縦・横・マチを入れてください。表地・裏地・接着芯・持ち手テープを、そのまま買い物リストになる形で出します。裏地あり/なし、接着芯あり/なし、切り替えあり/なし、キルティング、柄合わせ(リピート)、一方向柄、生地幅の違いで必要量がどう変わるかまで計算します。
「面積 ÷ 生地幅」では、なぜ足りないのか
必要な布の面積を出して、生地幅で割る。一見すると正しそうですが、この計算はほぼ確実に足りません。理由は単純で、布は自由な形に分けて使えないからです。
生地は決まった幅の反物から、必要な長さだけ切って売られます。買った布は「幅110cm × 長さ◯cm」という1枚の長方形です。そこから四角いパーツを切り出していくと、幅の中に並びきらなかった隙間は、そのまま捨てる部分になります。
レッスンバッグの本体は、仕上がり横40cm・縫い代1cmなら裁ちきり横42cmです。110cm幅なら 108 ÷ 42 = 2.57 ですが、並ぶのは2枚までです。0.57枚は存在しません。残りの24cmはこの段では何にも使えません。面積で割る計算は、この0.57枚を数に入れてしまいます。
このツールがやっている手順
仕上がり寸法そのままで裁つと、縫った瞬間に小さくなります。縫い代と袋口の始末の分を先に足します。袋口の始末は、裏地なしなら三つ折りの折り返し分、裏地ありなら縫い代だけで足りるので、チェックの状態で自動的に切り替わります。
生地の両端(耳)は織り密度が違い、洗うとつれることがあります。初期値では両端で合計2cmを使わない前提にしています。
段の高さは、その段でいちばん背の高いパーツで決まります。低いパーツを同じ段に入れても、段の高さは伸びません。だから背の高いものから並べると、無駄が減ります。切り替えの下布のような低いパーツが、本体の残り幅に収まることもあります。
生地は10cm単位で切ってもらうのが一般的なので、最後に10cm単位へ切り上げています。「1.24m必要」ではなく「1.3m買う」まで出しているのはこのためです。
裏地をつけると、何が変わるか
レッスンバッグで最初に迷うのがここです。裏地は「あった方がいい」とも「初心者は無い方がいい」とも言われますが、変わるのは次の3点です。
1. 丈夫さと、中身の見え方
裏地をつけると縫い代が内側から見えなくなり、袋の中で縫い代がほつれてこなくなります。教科書やタオルを毎日出し入れして週末に洗う、という使われ方をするものなので、この差は1年で出ます。裏地なしの場合は、内側の縫い代をジグザグやロックで始末しておかないと、糸くずが中に落ちるようになります。
2. 厚みと、ミシンへの負担
裏地をつけると、当然ながら布が2倍になります。持ち手の付け根は「表地+裏地+テープ」で最低4枚、折り返しが重なると6〜8枚になります。家庭用ミシンで一番よく針が折れる場所がここです。
だから厚い表地に、さらに厚い裏地を合わせるのは避けてください。表地が帆布やキルティングなら、裏地はシーチングやブロードのような薄手にします。表地と裏地を同じ厚さで揃えると、縫えないバッグになります。
3. 必要な生地の量と、金額
裏地ありは、単純にもう1種類の生地を買うことになります。ただし上の計算で分かるとおり、裏地は無地を使うことが多く柄合わせが要らないので、同じ寸法でも表地より短く済むことがよくあります。柄合わせが要る表地と、要らない裏地では、必要な長さが変わります。このツールでは裏地を「柄合わせなし」として別に計算しています(柄物を裏地にする場合は、表地と同じ長さを見てください)。
袋口の裁ちきりも変わります。裏地なしは三つ折りにするので4cm前後を余分に裁ちますが、裏地ありは縫い代1cmで済みます。同じ仕上がりでも、表地の裁ちきり高さは3cmほど低くなります。上のチェックを入れ外しすると、内訳表の数字が動くのが確認できます。
キルティング生地は、なぜ縫いにくいのか
キルティングは、表布と裏布のあいだに中綿をはさんで格子状に縫い留めた生地です。1枚で厚みと張りが出るので、接着芯を貼らなくてもバッグの形が保てます。入園グッズの定番になっているのはこのためです。
そのうえで、次のことは知っておいてください。
- 接着芯は基本的に不要です。キルティングに芯を貼ると、家庭用ミシンでは押さえの下を通らないほど厚くなります。上の計算でキルティングと接着芯を同時にチェックすると注意が出るのはこのためです。
- 裏地との相性を選びます。キルティング+裏地は、袋口が非常に分厚くなります。裏地をつけるなら薄手にするか、袋口をバイアステープでくるむ作り方を検討してください。
- 縫い代がかさばります。中綿があるぶん、折り返した縫い代が浮き、まっすぐ縫うのが難しくなります。縫い代をやや広めに取り、押さえの圧を調整できるミシンだと楽になります。
- 幅は105cm前後の商品が多く見られます。110cmのつもりで計算すると足りなくなることがあるので、商品ページの表記を必ず確認して上の入力欄に入れてください。
- 裁ちきり寸法は変わりません。厚みは増えますが、必要な布の面積は普通の生地と同じです。増えるのはミシンへの負担であって、メートル数ではありません。
切り替えを入れると、必要量はどう変わるか
切り替え(上下で生地を変えるデザイン)は、レッスンバッグでいちばんよくあるアレンジです。必要量への影響は、直感と少しずれます。
合計の長さは、たいてい増える
切り替えを入れると、つなぎ目の縫い代が両側に必要になります。1か所の切り替えにつき、縫い代1cmなら合計2cm、パーツの高さが増えます。3枚の切り替えなら4cm増えます。ここは単純に増えるぶんです。
それより効くのが「生地が2種類になる」こと
本当に効くのはこちらです。切り替えなしなら1つの生地を1.0m買えば済むところ、切り替えありだとA生地を0.5m・B生地を0.5mのように分かれます。そして生地は10cm単位で切り上げて買うので、切り上げの損が生地の種類の数だけ発生します。合計のメートル数は、切り替えなしより増えるのが普通です。
さらに、下布は高さ15cm前後の細長いパーツになることが多く、これを1枚買うとその段の高さのぶんだけ、幅方向に大きな端材が出ます。上の計算で無駄率が跳ね上がるのはここです。
だから、切り替えは「余り布」と相性がいい
逆に言えば、切り替えの下布は他のグッズを作った端材で足りることが多いということです。上履き入れや給食袋を作った残りが、そのまま下布になります。切り替えを入れるなら、下布を新規に買わずに済ませられないか先に確認してください。まとめて作るなら、入園入学グッズの生地は何メートル必要かで全部の袋を一度に計算した方が、生地は少なくて済みます。
なお、切り替えの布をすべて同じ生地にする場合は、上のチェックを入れてください。別々に買うより少なくなるか、同じになります。小さいパーツが大きいパーツの横の空きに収まるからです。
柄合わせが要る生地は、なぜ多く要るのか
ここが早見表では絶対に扱えない部分です。
大きな柄が一定の間隔で繰り返す生地(リピートのある生地)で、前面と背面で柄の位置がずれていると、縫い合わせた脇で柄が食い違います。チェックやボーダーなら、横線の高さがずれているのが一目で分かります。
これを防ぐには、各パーツを柄の同じ位置から裁つ必要があります。そのためには、段の高さを柄のリピートの整数倍に切り上げなければなりません。
たとえば高さ35cmの本体を、リピート12cmの生地で裁つ場合。35 ÷ 12 = 2.9 なので3リピート分、つまり36cm使うことになります。段が増えれば、その差も積み上がります。大柄の生地はかわいいのですが、必要量は目に見えて増えます。上の入力欄でリピートを0と実測値で切り替えると、その差がそのまま出ます。
一方向柄は、90度回して裁てない
乗り物・動物・文字など、上下の向きが決まっている柄があります。この生地では、パーツを90度回して並べるという逃げ道が使えません。横向きの車が走っているバッグになってしまうからです。
向きの決まっていない生地なら、パーツを寝かせて並べることで生地が短くて済む場合があります。このツールの「裁断の向き」では両方を試して短い方を選んでいます。一方向柄にチェックを入れると、たて地に固定されます。同じ寸法でも、一方向柄というだけで必要量が増えることがあるのはこのためです。
110cm幅と150cm幅で、必要量はどう変わるか
幅が1.36倍になっても、必要な長さが1÷1.36になるわけではありません。幅に何枚並ぶかは整数でしか増えないからです。
レッスンバッグの本体(裁ちきり横42cm)を例にすると、こうなります。
| 生地幅 | 使える幅 | 1段に並ぶ本体 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 110cm | 108cm | 2枚 | 本体2枚が1段に収まる |
| 150cm | 148cm | 3枚 | 3枚並ぶが、必要なのは2枚。段数は変わらない |
つまりこの寸法では、150cm幅を買っても長さは1cmも減りません。幅が広い生地は単価も高いので、この場合はむしろ損になります。ところがマチを10cm入れて裁ちきり横が52cmを超えると、110cm幅には2枚並ばなくなり、そこで150cm幅が一気に有利になります。
「広い方が得」でも「狭い方が安い」でもありません。作るものの寸法で逆転します。上の比較表で、自分の寸法ではどちらが得かを確かめてください。
園の指定サイズを、いちばん優先してください
レッスンバッグの「標準サイズ」としてよく見るのは、たて30cm×よこ40cm前後です。ただしこれは市販の型紙や手芸本で多く採用されている寸法であって、規格ではありません。
実際には、園や学校から次のような形で指定が来ます。
- 寸法の指定 — 「たて30cm、よこ40cm程度」のように幅を持たせたものが多いですが、ロッカーの寸法に合わせて厳密な園もあります。
- マチの可否 — 棚に立てて並べる園では、マチのない平らなものを指定されることがあります。
- 持ち手の長さ — 肩にかけられる長さを禁止している園があります(遊具に引っかかる事故を避けるため)。
- キルティングの可否 — 畳んでロッカーに入れる園では、かさばるキルティングを避けるよう言われることがあります。
手芸本の寸法や、このツールの初期値より、園から配られた紙を優先してください。生地を買ってから指定に気づくのが、いちばん取り返しがつきません。指定が「30×40程度」なら、上の計算でその数字を入れてください。
生地のほかに要るもの
- 持ち手テープ(アクリルテープ・カラーテープ) — 必要量は上の買い物リストに出しています。幅2.5cm前後がよく使われます。布から自作もできますが、その場合はテープの代わりに表地が追加で要ります。
- 接着芯 — 生地に貼って張りを出すシートです。薄い生地でレッスンバッグを作ると、教科書を入れたときにぐにゃりと潰れます。生地とは幅が違うので、必要量も別計算になります(上のリストに出ています)。キルティングを使うなら不要です。
- ミシン糸 — 生地の色に近いものを。厚手を縫うなら30番などの太めが要ることがあります。
- 名前つけの材料 — お名前テープ、アイロンワッペン。園によって位置の指定があるので、先に確認しておくと二度手間になりません。
ほかの計算もまとめてどうぞ
- 入園入学グッズの生地は何メートル必要か — 上履き入れ・体操着袋・給食袋・ランチマットもまとめて計算します。2つ以上作るなら、こちらの方が生地は少なくて済みます。
- 用尺の総合計算機 — 服など、レッスンバッグ以外のものを作るときの用尺を計算します。
- 入園グッズを作るためのミシンの選び方(初心者向け) — 厚みに負けないミシンの見分け方。