用尺の計算機(生地の必要量)
作るものを問いません。裁ちきりのパーツを「縦・横・枚数」で登録すると、生地を何メートル買えばいいかを計算します。生地幅・柄のリピート・一方向柄・ロス率をふまえて、「110cm幅を1.6m」という買う形まで出します。たて地とよこ地のどちらで裁つと少なくて済むかも同時に比べます。
作るものが決まっているなら、専用の計算機の方が早い
このページは「どんなパーツでも登録できる」代わりに、裁ちきり寸法を自分で出す必要があります。作るものが決まっているなら、仕上がり寸法を入れるだけで裁ちきり寸法まで組み立ててくれる下のツールを使ってください。
- 入園入学グッズの生地は何メートル必要か レッスンバッグ・上履き入れ・体操着袋・給食袋・ランチマットをまとめて計算。まとめて裁つと生地が減ります
- レッスンバッグの生地必要量 裏地・接着芯・切り替え・キルティングの組み合わせごとに、表地/裏地/接着芯/持ち手テープを別々に計算
- 毛糸は何玉必要か 編みもの用。玉数と重さから必要量を計算します
- ミシンの選び方(初心者・入園グッズ) 生地の量が決まったら次はミシン。厚手をまっすぐ長く縫えるかで選びます
用尺とは何か
用尺(ようじゃく)とは、そのものを1つ作るのに必要な生地の長さのことです。生地は幅が決まった反物から、必要な長さだけ切って売られます。だから買う量は面積ではなく、「◯cm幅を◯m」という長さで決まります。
ここが最初のつまずきどころです。必要な面積が分かっても、買う長さは決まりません。同じ面積でも、生地幅が違えば必要な長さは変わりますし、パーツの形によっては幅が広い生地を買っても長さが1cmも減らないことがあります。
「面積 ÷ 生地幅」では、なぜ足りないのか
必要な布の面積を出して、生地幅で割る。一見すると正しそうですが、この計算はほぼ確実に足りません。理由は単純で、布は自由な形に分けて使えないからです。
買った布は「幅110cm × 長さ◯cm」という1枚の長方形です。そこから四角いパーツを切り出していくと、幅の中に並びきらなかった隙間は、そのまま捨てる部分になります。
たとえば横52cmのパーツを、110cm幅の生地から切り出すとします。110 ÷ 52 = 2.1 ですが、並ぶのは2枚までです。0.1枚は存在しません。残りの6cmは何にも使えません。面積で割る計算は、この0.1枚を数に入れてしまいます。
このツールがやっている手順
生地の両端(耳)は織り密度が違い、洗うとつれることがあります。初期値では両端で合計2cmを使わない前提にしています。
段の高さは、その段でいちばん背の高いパーツで決まります。低いパーツを同じ段に入れても、段の高さは伸びません。だから背の高いものから並べると、無駄が減ります。小さいパーツを大きいパーツの横の空きに入れられるかどうかで、必要量は変わります。
柄の位置をそろえて裁つには、段の頭を柄の同じ位置に置く必要があります。そのぶん段が伸びます。
生地は10cm単位で切ってもらうのが一般的なので、最後に10cm単位へ切り上げています。「1.24m必要」ではなく「1.3m買う」まで出しているのはこのためです。
生地幅による違い
幅が110cmから150cmへ1.36倍になっても、必要な長さが1÷1.36になるわけではありません。幅に何枚並ぶかは整数でしか増えないからです。
横52cmのパーツを例にすると、こうなります。
| 生地幅 | 使える幅 | 1段に並ぶ枚数 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 110cm | 108cm | 2枚 | 2枚ごとに1段 |
| 150cm | 148cm | 2枚 | 110cm幅と同じ段数。長さは減らないのに、余る幅だけ増える |
つまりこの寸法では、150cm幅を買っても長さは1cmも減りません。幅が広い生地は単価も高いので、この場合はむしろ損になります。逆に、パーツの横幅が55cm前後になると110cm幅には2枚並ばず1枚しか取れなくなり、そこでは150cm幅が一気に有利になります。
「広い方が得」でも「狭い方が安い」でもありません。作るものの寸法で逆転します。上の比較表で、自分の寸法ではどちらが得かを確かめてください。
柄合わせ(リピート)が要る生地は、なぜ多く要るのか
ここが早見表では扱えない部分です。
大きな柄が一定の間隔で繰り返す生地(リピートのある生地)で、隣り合うパーツの柄の位置がずれていると、縫い合わせた線で柄が食い違います。チェックやボーダーなら、横線の高さがずれているのが一目で分かります。
これを防ぐには、各パーツを柄の同じ位置から裁つ必要があります。そのためには、段の高さを柄のリピートの整数倍に切り上げなければなりません。
たとえば高さ40cmのパーツを、リピート12cmの生地で裁つ場合。40 ÷ 12 = 3.33 なので4リピート分、つまり48cm使うことになります。8cmは柄を合わせるためだけに捨てる部分です。段が2つあれば、その分だけ増えていきます。
リピートが大きい生地ほど、この切り上げの損は大きくなります。大柄の生地はかわいいのですが、必要量は目に見えて増えます。上の入力欄でリピートを0と実測値で切り替えると、その差がそのまま出ます。
一方向柄は、90度回して裁てない
乗り物・動物・文字など、上下の向きが決まっている柄があります。この生地では、パーツを90度回して並べるという逃げ道が使えません。横向きの車が走っている仕上がりになってしまうからです。
向きの決まっていない生地なら、パーツを寝かせて並べることで生地が短くて済む場合があります。このツールの「裁断の向き」で両方を試し、短い方を選んでいます。一方向柄にチェックを入れると、たて地に固定されます。
たて地とよこ地は、見た目だけの話ではない
布は、たて糸の方向(たて地)はほとんど伸びず、よこ糸の方向(よこ地)は少し伸びます。短くなるからという理由だけで90度回すと、伸び方が変わります。袋物や小物なら問題になりにくいのですが、服のように体に沿わせるものでは、たて地で裁つのが基本です。上の比較表は「生地の量だけを見るとどうか」を示すものとして使ってください。
水通しの縮みと、ロス率
綿や麻の生地は、最初の洗濯で縮みます。作ってから縮むと、袋なら「入るはずのものが入らない」、服なら「丈が足りない」という形で出ます。
これを避けるために、裁つ前に一度水通しをして、あらかじめ縮ませておくやり方があります。ただし縮んだ分だけ、買った生地は短くなります。水通しをする前提なら、その縮み分を最初から買っておく必要があります。
このツールでは、その縮みと裁ち誤差をまとめてロス率で見ています。初期値は10%です。目安としては、無地で水通しをしない小物だけなら5%程度、綿麻や色の濃い生地、大きいものを作るなら15%程度を入れておくと安全側になります。生地の種類によって縮み方はかなり違うので、心配なら多めに入れてください。
作りはじめる前に
生地の量が決まったら、次はどのミシンで縫うかです。厚い生地をまっすぐ長く縫うのか、薄い生地を細かく縫うのかで、選ぶものが変わります。