水通しの縮みを見込んで、生地は何cm多く買うか
綿や麻の生地は、最初の洗濯(水通し)で縮みます。縮んだ後に仕上がり寸法どおり裁てるだけの生地を確保するには、縮む分を見込んで多めに買う必要があります。ただし縮み率は生地の織り方・厚み・メーカーで大きく違うため、一律の数値をあてはめると外れます。ここでは試し布を実際に水通しして測る方法と、その数値をそのまま購入量に変換する計算を用意しました。
先に結論
- 「綿は◯%縮む」という一律の数値は使わないでください。同じ綿100%でも、厚手のオックスと薄手のシーチングでは縮み方が違い、メーカー・ロットでも変わります。
- 確実なのは、買う予定の生地から試し布を切って、自分で水通しして測ることです。10分あれば済みます。
- たて方向(生地の長さ方向)とよこ方向(生地の幅方向)で縮み方が違います。綿はふつうたてのほうがよく縮みます。購入する長さに効くのはたての縮み率です。
- 下の計算機は、試し布の水通し前後の寸法を入れると縮み率を出し、必要な仕上がり長さから水通し前に買うべき長さまで変換します。
なぜ水通しをするのか
綿や麻の糸は、織られる過程で引っ張られた状態のまま生地になっています。水に浸けて乾かすと、その引っ張られていた分がゆるみ、生地そのものが縮みます。これを裁断の前にやらずに服や袋を作ると、完成後の最初の洗濯で縮み、上履きが入らない、袋のマチが浅くなる、といった形で表面化します。裁つ前に一度縮ませておけば、完成品はそれ以上大きくは縮みません。
すべての生地に必要な作業ではありません。ポリエステルなど化学繊維が主体の生地は縮みにくい傾向があり、あらかじめ防縮加工がされている生地もあります。ただし「傾向」であって断定はできません。商品ページに水通しの要不要が書かれていないことも多いため、迷ったら試し布で確認するのが確実です。
縮み率を、一律の数値で見てはいけない理由
「綿は3%縮む」「麻はよく縮む」といった目安をネットで見かけることがありますが、これをそのまま自分の生地に当てはめると、多すぎたり足りなかったりします。縮み率は次のような条件で変わるからです。
- 織り方(平織り・ツイル・オックスなど)と糸の密度
- 厚み・重さ(同じ綿でも薄手と厚手で違う)
- メーカーと製造ロット(同じ商品名でも入荷時期で変わることがある)
- 洗い方(洗濯機か手洗いか、乾燥機を使うか)
この事業サイトでは、根拠のはっきりしない数値を「目安」として断定的に出すことはしません。確実なのは、これから買う生地そのもので試すことです。試し布は10〜15cm四方で十分で、生地全体を無駄にすることもありません。
試し布の測り方
- 生地の端から、10〜15cm四方くらいの試し布を切る できれば、実際に使う予定の場所に近い部分(耳から離れた中央寄り)から切ってください。
- チャコペンと定規で、たて方向とよこ方向に正確な長さの線を引く 切り口ではなく、生地の上に引いた線で測ります。切り口は水通しでほつれてくることがあり、正確に測れません。30cmなどきりのよい長さにしておくと、後の計算がしやすくなります。
- 実際に使う予定の方法で水通しする 洗濯機を使うなら洗濯機で、手洗いする予定なら手洗いで。完成後に想定している洗い方に合わせるのがいちばん正確です。
- 形を整えながら、日陰で乾かす 生乾きのまま測ると縮みが出きっていないことがあります。完全に乾かしてから測ってください。
- 同じ線を、たて・よこそれぞれもう一度測る 上の計算欄に、水通し前と後の長さを入れてください。縮み率が自動で出ます。
たてとよこで、縮み方が違う理由
生地は、たて糸とよこ糸を織り合わせてできています。多くの織物では、たて糸のほうが強く張った状態で織られるため、水通しでゆるむ量もたてのほうが大きくなりやすい傾向があります。ニット(編み物生地)は織物とは構造が違い、伸縮性がある分だけ縮み方の出方も異なります。
購入する長さ(反物を切ってもらう長さ)に直接効くのはたて方向の縮み率です。よこ方向の縮みは生地の使える幅がわずかに狭くなることを意味しますが、幅は生地屋が決めた反物の幅なので、買う段階で増やすことはできません。パーツの横幅がぎりぎりの場合は、よこの縮み率も参考にしてください。
この数値は、ほかの計算ツールにも使えます
このサイトの生地計算ツールには「ロス率」という入力欄があり、初期値は10%にしています。これは水通しの縮みと裁ち誤差をまとめて見込んだ、当たり障りのない初期値です。試し布で自分の生地の縮み率が分かったら、その数値をロス率の欄に入れ直すことで、より実際に近い必要量が出ます。
- 入園入学グッズの生地は何メートル必要かロス率の欄に、試し布で測った縮み率を入れ直せます
- 用尺の総合計算機任意の裁ちきり寸法から、ロス率を指定して必要量を出します
- 柄合わせ(リピート)と必要量水通し後にリピートを測るほうが正確な理由も説明しています